質問者

　７２歳の家内の、亡くなった伯父が残した大島紬を貰いました。反物のまま数十年箪笥の肥やしになっていたものです。親戚の厚意に応えるべく京都の呉服屋に仕立てを頼んだのですが、生地が劣化しており、仕立てられないということで戻ってきました。その際、湯通しはして貰っていると思います。

　証紙を視ると、日章旗と旭日旗が交差しているもので、「同業組合標章」が右から左への横書きです。大島紬の長着を持っているので、この古い反物を羽織にしたいのですが、何とか仕立てられるでしょうか。その際、裄は足らないと思いますので、大島紬の似たような端切れがあれば、それで袖を継いで頂いて結構です。長着は袷ですので、羽織も袷が好都合ですが、何せ反物が古いので、袷でも単衣でも、とにかく仕立てられる方で結構です。

ゆうきくん

お手持ちの大島紬について
「証紙を視ると、日の丸と日章旗が交差しているもので、「同業組合標章」が右から左への横書きです。」との事です。
　大島紬は、奄美大島、鹿児島、都城で織られていますが、それぞれが別個の組合を組織しています。
　「 日章旗と旭日旗 」は鹿児島の証紙です。「右から左への横書き」ですので戦前の物だろうと思います。

仕立について
　お手持ちの大島は反物との事ですので、基本的には着物（長着）でも羽織でも仕立てられます。袷にできるかどうかは、生地ではなく裏を付けるかどうかですので、裏を付ければ袷に仕立てられます。着物の場合は胴裏ですが、羽織の場合は羽裏または額裏を付ける事になります。
　昔の反物ですので、幅が狭く希望の裄丈が出ないかもしれません。しかし、その場合は袖に足して袖幅を広くして裄丈を出すことができます。
　男物はお端折がなく、女性物よりも丈が一般に短いので、要尺は足りると思います。

　問題は、「生地が劣化しており」です。どの程度劣化しているのか見なければ分かりません。

　生地の状態、反物の巾、用尺など見なければ何とも言えませんので、よろしかったらお送りください。生地を見た上で適切なアドバイスはさせて頂けると思います。

もしも、お送りいただく場合、仕立寸法も同封ください。

質問者

有難うございます。それでは当該の反物と仕立て寸法をお送りします。

参照：「きものフォトトピックス 2. 幻の大島紬」
参照：「きもの博物館 43. 割り込み絣大島」
参照：「きものフォトト:ックス 3. 昭和41年の夏大島」
参照：「きものフォトトピックス 7. 昔の大島紬」