全日本きもの研究会 きものQ&A
254.江戸小紋の歴史について
質問者
ゆうきくんさん初めまして。旅さんのHPから、こちらにたどりつきました。
着物が好きで、いろいろ勉強しながら、着物生活を楽しんでおります。江戸小紋についても、反物を見たり、書籍・ビデオテープなどで、一通り勉強しました。きもの博物館も拝読しました。(実は、女物の江戸小紋で、私にとっては、初めてのやわらかものの着物もつくりました。勿論、捺染ですが。)
そこで、教えていただきたいのですが、武家の裃の定め紋として、精緻さを競った小紋染めが、庶民の着物へと大衆化された時期と素材についてです。 疑問に思う点を羅列すると次のようになります。
1.裃の素材は戦国時代から江戸末期まで、麻が一般的であった。(結城氏法度や勝海舟が麻裃で登城と記載されている)麻にあれ程精緻な小紋染 めができるのか?
2.寛永の頃、龍紋という絹地(調べても解説が見当たりません)で高級武家が裃 を作ったとあります。これが、いわゆる江戸小紋とすれば、家中全てが同じ柄の 裃でユニフォームということが無理ではないか?あるいは、殿様だけ龍紋で家来 は染めの麻裃?
3.庶民が絹を着用出来ない制限があるなかで、木綿の中形長板が発展したことと、江戸小紋の大衆化とはどの様な関係になるのか?(ある解説によると、需要 が限られた裃だけでは職人が食っていけないので、町人向けに、小紋が広がった と、供給サイドの問題の指摘があります。)
4.以上を要約いたしますと、麻にはあれ程精緻な染が可能か?素材を絹と限定すると大衆化したのは、何時か?ということになります。
今日の着物文化に直接関係する事ではないのですが、疑問が解ければ幸いです。
ゆうきくん
ご質問の内容が余りに学術的ですのでお答えできません。
私は学者ではありませんので、私の知識を超えるものですし、お答えしても推測の範囲を出ません。
インターネット上でこのような学術的な論争が素人間で行われると、論議が白熱してしまいます。私の掲示板にはなじみませんので申し訳ございません。
私のページは一呉服屋の見解と思って読んでいただければ幸いです。
江戸小紋の専門ページや研究者に聞かれてはいかがでしょうか。
質問者
お騒がせ致しました。
きもの博物館を拝読して、その内容が理路整然としていましたので、 お尋ねしました。
江戸小紋に関する書籍・HP等調べていますが、未だその辺について 解説したものに巡り合っていません。更に、勉強します。
最近、「苧麻・絹・木綿の社会史」という学者の書いた本を読んでいますが、 着物を考える上で、参考になりました。内容は難しいところもありますが、庶民の衣生活の歴史が推測でき、着物をもっと大事にしたいと言う気持ちが 強くなりました。
参照:「きもの博物館 57. 江戸小紋」
参照:「きもの春秋終論 Ⅵ.-32.江戸小紋」