明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

259.黒留袖について

きものQ&A

質問者

 初めまして、どうぞ教えて下さい。

 今年、11月中旬に結婚式をあげます。 

 低予算での準備につき、家族が着用する黒留袖をオークションで安く落札できたのはいいのですが、「比翼なし」のものだったのです。(知識が無かったもので・・)

 祖母が着用するのですが、「簡易比翼」なるものを付ける予算がありません。
どうしたらよいでしょうか?

 黒留袖の載った写真などを見ると、うわべからは襟の部分に白い襟がもう一枚見えるだけなので、その部分だけでも何とかならないものかとも考えます。

 あと、もうひとつ・・

 その黒留袖の襟の折り返し部分にファンデーションがついているのですが、ベンジンで落としてよいものでしょうか?

 宜しくご教授のほどお願いいたします。

ゆうきくん

 ご質問、ご相談の内容ですが、
「黒留袖を着なければならないが、留袖に比翼が付いていない。しかし、比翼を付ける予算がない」
ということだと思います。その文脈をたどれば、
「比翼なしの留袖で結婚式に出てもよいのか?」
「タダ同前で比翼を付ける方法はないのか?」
ということになろうかと思います。どちらも私の立場では「NO」としか言えません。

「簡易比翼」というのは何を指しているのか分りませんが「襟比翼」のことでしょうか。
襟比翼でしたら、安いものだと2000円くらいで買えると思います。

 黒留袖の比翼は白の下着(襦袢ではありません)を重ね着したなごりです。ですから襟だけでなく裾まで比翼を付けています。

 襟比翼は襟に付けるもので、伊達襟とも呼ばれ、主に訪問着や付け下げに使われます。白の伊達襟もありますので留袖に付ければ襟元は比翼をつけたようになります。いまどきのホテルでの結婚式では裾はあまり目立たないのでそれなりに役には立つでしょうが、呉服屋としては進めるわけにはゆきません。

 ベンジンによるシミ抜きですが、これも呉服屋としては薦められません。昔は母もよくベンジンを使って襟のシミ抜きをしていました。しかし、やりかたによっては生地を荒らしてしまいます。上手な人にやり方を教わって・・・、という方法もありますが責任は持てません。

質問者

 ゆうきさん、どうもありがとうございました。とても勉強になりました。

 せっかく和服とのご縁ができたので、これから少しずつ勉強したいと思います。

 ゆうきさんのHPの更新も楽しみにしております。

参照:「きもの博物館 48. 黒留袖」

 

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