明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

266.長襦袢と二部式襦袢について

きものQ&A

質問者

 結城屋さんへ 教えていただきたいことがあります。
 
 二部式襦袢が出来上がってきたのですが、 前合わせの重なりがとても少ないのではないかと思います。 (画像のオレンジ部分) 手持ちの長襦袢と比較してみたところ、美容衿を付ける前後何れも画像の通り、前合わせが少ししか重なっておらず、これを通常通り バストを覆うように着ていきますと、かなり引っ張り上げることになり、 自然と、内側に袖が引っ張られているのではないかと・・・ 結果として、身八ツ口から襦袢の袖がでてしまいます。
 
 前幅を測ってみたところ、左の襦袢よりはるかに短いことが 分りました。 肩幅に関しては、左の長襦袢と同じサイズです。
 
 もうひとつは、襦袢の袖付けの長さが21.5cmであり、左の襦袢より1.5cm下に なっていることです。手持ちの着物の袖付けは、ほとんどが21cmです。唯一、23cmの着物と合わせて着ましたが、結果は駄目でした。 やはり、前合わせの長さが足りないからではないかと思っています。
 
 オーダーサイズは、裄68cm・肩幅32cm・後幅28.5cm・前幅24cmの着物に 合うようにお願いしました。
 
 ゆうきくんの着物講座では、いつも大きな収穫があります。 本日も、肩幅と後幅の差は2cmということを知り、少しずつ 知識を増やすことができています。以前、裄出しで直しに 出した際、袖幅と肩幅への割り振りで悩んでいましたが、 このような事は一切教えていただけませんでした。とても残念です。
 
 長くなってしまいましたが、よろしくお願いします。

ゆうきくん

 お仕立てに関するご質問ですが、仕立てについては私よりも仕立て屋さんの方が詳しいとは思いますが、分かる範囲でお答えいたします。
 
 襦袢の仕立てにつきましては、東京仕立て、京仕立てなど(別衿仕立て、つまみ衿仕立て)等々があり、どれが本当だということでもありませんので、それをお含みいただいた上でお読み下さい。
 
 二部式襦袢は既成でもありますので、当社で販売している既成半襦袢Mサイズの寸法を添付いたします。  

 オーダーサイズから察すると、さくらさんはほぼ標準体型のようです。
 
 画像で見る限り、前幅が狭く、着にくいだろうことは想像されます。画像からはっきり分りませんが、おくみがなく、一幅で仕立てているように思えます。一幅であっても襟幅を含めて38cm程度(既成半襦袢の寸法)は確保できると思います。

 考えられる可能性は
1.  仕立て屋が間違って、あるいは知らなくて見幅を狭くしてしまった。
2.  地方、あるいは仕立て方によってそのような仕立てがある。
ということかと思います。
 
 しかし、プロの仕立屋さんが仕立てたのであれば、1.は考えにくいように思えます。
 
 前述したように、襦袢の仕立て方には色々とあります。私の母は、「京仕立て(関西仕立て)は着難い」と言っていますが、母が思っている着難い京仕立ては全国的には一般にありますし、着難いと思ない人も多くいるのでしょう。

 2.のように、仕立て屋さんが習った通りに仕立てた結果そうなったという可能性は捨てきれません。
 
 とは言いましても、実際に着る本人が着難いのであれば、仕立て屋さんに相談して直してもらうのが良いでしょう。おくみを足して見幅を広げるのであれば余り布2尺もあれば十分だと思います。  
 
 どなたか仕立をしていらっしゃる方、ご見解をお願いいたします。

質問者

  早速のお返事ありがとうございます。

 ご指摘の通り、一幅で仕立てられています。 添付いただいた既製の二部式襦袢の寸法を元に、お店に確認してみようと思います。丁寧なご説明、ありがとうございました。

参照:「きものQ&A 181.袖丈の違う長襦袢とお着物についての対処法を教えて下さい」

 

着物のことならなんでもお問い合わせください。

line

TEL.023-623-0466

営業時間/10:00~19:00 定休日/第2、第4木曜日

メールでのお問い合わせはこちら