質問者

　叔母からもらった群青色の麻の着物、今年はとうとう家で手洗いしちゃいました。
　
　結果、ちょっとだけ縮み、若干色落ちしましたが、 非常にさっぱりとして 麻の襦袢と共に着ると涼しくて、わたしは大満足でした。
　
　でも、アイロンを掛けても全体的にシワシワ。 なので母がビックリして
「そんなもの着て外歩くんじゃありません！」
とたいそうな剣幕で怒ります。 でも私はこのシワシワがなんだかとても愛着を覚えています。 洋服のエスニック系ワンピースと同じようなものだと考えれば、それほどこのシワだっておかしくないと思いますし、 何よりぴしっとしていたときよりも、柔らかい肌触りで動きやすいんです。
　
　ゆうきくんは、手洗いしてシワシワの麻の着物、どう思いますか？ 日傘を差して街を歩いていたら、奇異に感じますか？

ゆうきくん

　おっしゃっているその着物がどのような状態か分りませんので、はっきりとは申し上げられません。一般的な話をします。
　
　麻はシワになり易い性質があります。それ故に涼しいと言えるかもしれません。麻の襦袢と合わせて着れば、夏の着物に対する考えが一変するでしょう。
　
　さて、「シワシワ」は二通り考えられます。一つは洗濯でシワシワにしてしまった。もう一つは小千谷縮などの縮系の生地で、洗濯後の処理が悪くて異常にシボが目立ってしまったと言う事です。
　
　宮古上布や能登上布などシボのない麻生地をシワシワにして着るというのはやはりおかしいでしょう。
　
　その着物が何なのかは分りませんが、「アイロンを掛けても全体にシワシワ」というのは縮系の生地のように思えます。
　
　小千谷縮はアイロンを掛ける必要はありません。洗濯したら、きものハンガーに吊るして両手の平でペタペタと伸ばしてやればシワは延びます。延びると言っても元々シボがありますので普通の着物のようにはなりません。
　
　考えられるのは洗濯した際に脱水機で強く絞り、シワシワになってしまった。または縮系の生地をアイロンで強引に延ばしてしまった、と言う事かも知れません。
　
　もう一度洗濯した時に着物ハンガーで延ばしながら乾かし、生乾きの状態になりましたらきちんと畳んでみてください。伸ばす時には特に襟、裾、袖先をまっすぐに延ばすことです。やってみてください。
　
　画像がありましたら見せていただけばもう少し具体的にお応えできるかもしれません。

参照：「続きもの春秋 2. 汚れない、シワにならない? 」
参照：「きもの博物館 10. 小千谷縮」
参照：「きものQ&A 56.麻のきものについて」
参照：「きものQ&A 221.小千谷縮」