明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

331.高級

きものQ&A

質問者

 こんばんは。
 
 高級浴衣と呼ばれるゆかたを気軽に街着にと思って購入したのですが。 私の買った物は あわしじらの染めです。 木綿にシボのデコボコがあります。 紺地に白で茶屋辻柄が繊細に染められています。
 
 浴衣ですので真夏(8月)に着ますと(街着として)暑いです! 盛夏は 薄物(絹で透ける物)や麻や浴衣でも(綿紅梅)を着ますので 透けない綿は比べると生地が厚い感じで着ましても暑いです。
 
 街着に少し早めに(生地が透けていないので)6月下旬から 着たい気がするのですが、着物の雰囲気が浴衣!とゆう感じなので 早めに着るには気が引けて着ていません。 堂々と着ていいものでしょうか?
 
 また浴衣として 素足に下駄お襦袢なしではokでしょうが(コーマ地も透けてないけれど当たり前に着ますよね。) 街着としてきちんと着るには8月は生地が暑い気がしますが、 いかがと思われますか?
 
 お返事を お待ちいたします。 よろしくお願いいたします。

ゆうきくん

 原則的なことを書きます。
 
 きものに限らず、身に着ける衣装は、
「暑い時には薄着で涼しく、寒い時は厚着をして寒くないように」
という原則があります。これは仕来りとかルールと言うものではなく、人間の本能、生存欲から出たものと言ってよいでしょう。
 
 着物を考える場合のいわば公理といえるものです。すなわち、
「暑ければ無理して着ないで下さい。着て心地よければ着てください」
と言うのが原則です。
 
 季節感が厳しく問われる着物ですが、それは礼装や正装の場合です。普段着の場合はそれほど厳しくはありません、と言うよりも厳しくしたら大変なことになります。
 
「5月はまだ袷だから」
と、うだるような暑い日に袷の普段着を着ているのを見かけることがあります。暑いからと言って5月に絽を着るのはおかしいですが、しかるべき涼しい格好をしても生存欲から出た人間の行動を決して神は罰することはないでしょう。
 
 普段着でしじらをお召しになられるのでしたら快適な時期にお召しください。
 
 紅梅や綿縮、しじらなどはコーマのゆかたと違って日中も着ることができます。しかし、衿を出して足袋を履いてお太鼓で街着、というとそのきものの雰囲気もありますし、時期もあります。柄や染の感じから、どうしても街着には適さないものもあるかもしれません。
 
「6月から街着として堂々と着たい。」
との事ですが、おなじ6月でも真夏のような暑い日や冷たい雨の降る日もあるでしょう。そのきものがその時に着れるかどうかは、
「着ておかしくないかどうか」
としか言いようがありません。
 
 しじらのゆかたは6月に街着として着て良い、悪いという単純な断定はできません。
 
 地方によっても違うでしょう。北海道の6月と九州の6月では違うはずです。
 
 お答えするとしたら次のようです。
 
 しじらのゆかたを6月に街着として着ておかしくない場合はあるでしょう。そのゆかたの雰囲気とその日の天気やその地方の習慣に照らし合わせてお考えください。
 
 はっきりとした回答にならなくてすみません。

質問者

 こんにちは。 とても丁寧で心のこもったお返事に感謝いたします。
 
 おっしゃられている事を色々と考え、常識や状況と 照らし合わせ、自分で考え判断してみますね。

 本当にありがとうございました。

参照:「きもの春秋 11. 浴衣(ゆかた)」
参照:「きもの春秋 5. きもののしきたり 」
参照:「きもの講座 3. 夏のきものとゆかた」
参照:「きものQ&A 151.ゆかたで同窓会に行っても良い」

 

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