明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

377. 裄の長さについて 

きものQ&A

質問者

 裄の長さについて教えてください。
 
 先日、初めて着物を仕立てて購入しました。私は身長162センチ、50キロですが、手(腕)が少し長いほうです。肩と平行にまっすぐ手を伸ばして首の下の骨から手首の骨まで計ると68センチあります。
 
 手首の骨が隠れる程度の裄が欲しいのですが、仕立ててもらった着物の裄は手首の骨より2センチほど上で骨が見えています。お店の人は、「袖巾は胴裏巾いっぱいです。」とこれ以上裄を長くするのは無理とおっしゃっていますが、本当でしょうか?
 
 手の長い人は手首の骨が見えてしまうのは仕方がないのでしょうか?
 
 因みにお店の方の採寸表では袖丈1.3.0、袖巾9.4、袖口6.0、袖付6.0、裄1.8.4と書かれていますが、これもあっているのか不安です。別のページでよほど大きな方でない限り、裄の長さは心配する必要がないとのことですが、ご回答いただけたら大変助かります。宜しくお願い致します。

ゆうきくん

 御質問は二つあると思います。
 
 一つは裄丈が適正なのかどうか。もう一つはこれ以上裄を長く仕立てられないのかどうか。
 
 後者から回答いたします。
 
 68cmは1尺8寸になります。仕立てた裄丈は1尺8寸4分ですので70cmです。計った裄よりも2cm長いようです。袖幅を9寸4分に採っていますので、肩幅は9寸です。袖幅も肩幅も反物幅で出来るだけしか採れません。袖幅で9寸4分採っていますので、技術的には肩幅も9寸4分採ることができます。従って今よりも4分(約2cm)裄を長く仕立てることはできます。
 
 しかし、裄がそれ以上採れないのは、胴裏の問題ではなく後幅との問題だと思います。肩幅は後身幅とつながっています。1枚の生地で仕立ます。後幅を8寸採ったとしても(あみさんの身長と体重から云えばそんなに広くはないと思いますが)肩幅との差は1寸4分になります。実際は2寸近くになるのではないでしょうか。後幅と肩幅の差をそれ程大きくは採れません。(その辺の事は「ゆうきくんのきもの講座6 きものの寸法について」を参照してください。)
 
 さて、裄丈についてですが、採寸した裄が68cmとの事ですので、裄は68cm(1尺8寸)で構いません。ただ最近は裄が長くなっていますので4分伸ばしたのでしょう。
 
「手首の骨が隠れる程度の裄が欲しい」
と云うのは腕を下におろした状態での事でしょうか。もしそうだとすればそれでは裄が長すぎます。裄丈は水平に伸ばした時に計るものですから、腕を下ろしたときは手首から3cm位は上になります。手首が隠れるほど長い場合は腕をまっすぐに伸ばした場合袖がかぶってしまいます。
 
 昔は反物幅が今よりも狭く、裄丈はそれで出来る範囲で十分でした。昔に比べて体形が違うと入っても袖幅を9寸4分とれる反物でできないのは裄が長すぎるように思えます。
 
 日本人が洋服に慣れてしまった為、裄丈(洋服でいえば袖丈)が洋服並みの長さを求めるようになったからだと思います。

質問者

 お忙しい中、お返事ありがとうございました。
 
 着物の袖の長さ(裄)は洋服と違うこと、いろいろ教えていただきありがとうございました。着物初心者の私にとって、このようにお返事頂けるのはとても助かりました。着物の似合う女性になれるようがんばりたいです。

参照:「きものQ&A376.仕立てるのに採寸しなくていいの?」
参照:「きもの春秋終論 Ⅳ-ⅳ寸法について」

 

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