全日本きもの研究会 きものQ&A
381.喪服が?
質問者
こんにちは、始めまして、よくある質問纏め、楽しく読ませて頂きました
「309、三つ紋の喪服」で気に為ったんですが、 三つ紋の喪服なのですが、私は一つ紋の喪服と振袖の喪服を受け継ぎました
形見分けでしたので本人が亡くなっており用途は伺えませんでしたが 一つ紋の方は、葬儀屋の方から、お客様はそれでと言う話を伺ったので、 三つ紋は、黒留袖と一つ紋色無地の中間の色留袖位に位置する着物の気がします
一つ紋の喪服の用途は分かったのですが 目下の問題は、振袖の喪服、着て良いと思いますか、五つ紋です。 本振袖と行かないまでも、二尺は有ります。どの位活用可能でしょうか?
ゆうきくん
喪服の振袖ですか?私は見たことがありませんが相当古いものでしょうか。
袖が二尺と云う事ですので、若い人の為に造ったのは間違いないでしょう。 見たこともないきものに遭遇すると誰しも驚いてしまいます。
「何のためにつくったのか。誰が着たのか」
と。
きもののしきたりについては良く議論されることですが、一つ覚えておいていただきたいのは、きもののしきたりは太古の昔から日本全国統一されていたものではないということです。
昔(例えば明治時代)は今のようなマスコミはなく、全国で情報を共有することはできなかったでしょう。しきたりはその地域(もっと小さい単位で村々で)ごとに違っていたでしょうし、時代とともに変わったと思います。
「若い人の喪服は袖を長く」といった風習があったのかもしれません。 現代では考えられない風習もたくさんありますし、それは事実として受け取らなくてはなりません。
その喪服の振袖を着てよいのか悪いのかは、現代の尺度に合わせなければなりません。しかし、その現代の尺度と云うのも誰が決めたものでありませんし、誰が裁定で着るものでもありません。
正確な回答にならなくてすみません。私も喪服の振袖は初めてですので。
参照:「きもの講座 7. きもののしきたり、日本のしきたり」