全日本きもの研究会 きものQ&A
434.絹紅梅 浴衣?夏着物?
質問者
知識の浅いうちに、浴衣と夏着物としても着られるという呉服屋さんの言葉に ついつい一目ぼれした白地に藍色の草花柄の絹紅梅の反物で仕立ててしまいました。
反物には「東京本板染め 江戸中型紋」と書いてあり、調べると 中型は浴衣と載っていたので、浴衣として着てもおかしくないのかなと。
花火を見に行くのに、昼から友人と出かけます。友人は浴衣なので私も浴衣の着こなしで行きたいのですが、いろいろ絹紅梅で検索して みると、夏着物としての着方が多く、浴衣として着れるものには たいてい紺地など濃い色の絹紅梅ばかりが載っているので白地の絹紅梅は浴衣としては着ないほうがいいということでしょうか。
長襦袢を着ずに上は肌着で(筒袖が透けます。もしかしたら上半身も肌着の衿の抜きがうっすらうつるかも…?) 下は裾よけ、麻の半幅帯、裸足に下駄というのは一般的におかしいのでしょうか?
やはり半衿、太鼓帯、足袋がいいのでしょうか。
ネットでさまざまな意見を読んでるうちに混乱してきました。 昼、夜に相応しい絹紅梅白地の着方等も含め、どなたか教えてください。
ゆうきくん
普通「ゆかた」と呼ばれるものは、コーマ生地の綿浴衣が一般的ですが、これらはくつろぎ着として着られますので、通常夕方から夜しか着ません。
他に紅梅、綿縮、綿紬など浴衣として着られますが、こちらは日中も街着として着ることもできます。 私の店でこれらは区別して「高級ゆかた」(かならずしも高価では有りません)として扱っています。
紅梅には綿紅梅と絹紅梅があります。 綿紅梅は洗濯が可能ですので、浴衣としても夏の街着としても勧めています。 絹紅梅は綿紅梅よりも軽く、着易さと言えば絹紅梅でしょう。
しかし、絹紅梅は水洗いできないということで敬遠される場合があります。特に素肌に浴衣として着る場合は汗が浸みるのを嫌う人がいます。 絹物を浴衣としてきることに抵抗がある人もいるようです。
絹紅梅を浴衣して着れるのかどうかは微妙な問題ですが、私は個人の判断で良いと思っています。 素肌に浴衣として着ても、汗をつけずに上手に着られる人、メンテナンスに長けていて、一シーズン着こなして丸洗いする人など、十分にメンテナンス出来るかどうかだと思います。
同じ生地同じ染で、白地と地染まりに違いはありません。合わせる帯をどのようにするかの方が問題でしょう。 きもののTPOについて余り振り回されないでください。白地の絹紅梅を着こなせるかどうかだけです。
参照:「きもの講座 3. 夏のきものとゆかた」
参照:「きものQ&A 108.紅梅織についてなのですが」