明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

78.浴衣の手入れ

きものQ&A

質問者

 毎度、お世話になっております。
 
 先週一週間、京都で着物三昧してきました。 娘も、大文字の観覧のときだけの筈が、結局雨が降らない限り、浴衣姿で出歩き、ご満悦でした。 が、例年になく涼しいとはいえ、やはり浴衣の腰の辺りは汗ばんで、なんとシオ噴いてしまいました。
 
 紺地の浴衣に白い模様が、
「おろしたての浴衣はその年は洗わない」
という習慣があるのですが、やはりこれは洗うしかないでしょうか。腰の部分だけ部分洗いしても大丈夫でしょうか。
 
 もちろん、季節の終わりには洗う予定ですが、このままでは、夏の残り期間着るのに、ちょっと気になるので。

ゆうきくん

 仕立てた長板染の浴衣、京都でシオが噴くまで着ていただいてありがとうございます。 着物も喜んでいると思います。
 
 汚れが気になるようでしたら洗うしかないでしょう。 綿縮の長板染はデリケートですので慎重に扱ってください。 私の母が着ている長板染はもう色落ちはしませんし、洗濯機の弱流で洗っています。しかし、初めはプロに任せていました。
 
 長板染は着れば着る程味の出るきものです。仕立てたばかりの長板染は生まれたばかりの赤ちゃんと思ってください。生まれたばかりですので色落ちします。しかし、2~3年で色は落ちなくなり、深い藍色になります。風合いも初めは少々硬いのですが、着て何度も洗濯するうちに柔らかくなってきます。そうしたら自分で洗っても良いようです。
 
 部分洗いをすると、一部だけ縮んだり風合いが変わったりします。最初はプロに任せた方が良いと思います。 ちょうどこの度、『結城屋きものドック』を立ち上げました。必要でしたら御利用ください。

質問者

 なるほど、久しく忘れていましたが、染物は最初のうち色が出るものでしたね。

ゆうきくん

 染物は必ず色落ちするとは限りませんが、長板染は正藍を使っているので色が落ち着くまでに時間がかかります。着れば着る程良くなりますので長く付き合ってください。

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参照:「きもの博物館 8. 長板小紋中形本藍染(野口汎先生の事)」
参照:「きものQ&A 494. 浴衣の洗濯について」

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