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全日本きもの研究会 きものQ&A

84.塩瀬の生地について教えてください

きものQ&A

質問者

 こんばんは、お邪魔します(^-^)

 塩瀬といえば、帯の生地かと思っていました。染め帯に使われている、つるんとしたしっかりした生地ですよね?
 
 先日、古着屋さんで塩瀬の生地(だと思います)で出来た、黒絵羽の 羽織を発見。 塩瀬と呼ばれている生地は、どういうものに使われる生地なんでしょうか?
 
 塩瀬の羽織もありえるものですか?
 
 初心者の質問です、よろしくお願いします(^-^;)

ゆうきくん

 きものに使われる生地の主な物は大きく分けると紬、縮緬(ちりめん)、羽二重の三つがあります。
 
 紬は紬糸で織った物、縮緬は強い撚りを掛けた生糸で織った物、羽二重は撚りを掛けずに束ねた生糸で織った物です。最も多く使われるのは縮緬地です。
 
  風呂敷に使われるシボの高い生地を一般に縮緬と呼んでいますが、風呂敷に使われているのは「鬼縮緬」とか「古代縮緬」と呼ばれるのもで、襦袢に使われる「綸子」も縮緬です。
 
 さて、「塩瀬」は正確には「塩瀬羽二重」と言って羽二重の一種です。羽二重というのは上記のように撚りを掛けない生糸で織った生地で、最も良く目にするのは胴裏です。
 
 胴裏は表生地に比べて地が薄いのでピンとこないかもしれませんが、胴裏の厚地のものが塩瀬羽二重だと思ってください。ただし、塩瀬は胴裏を単純に厚くしたものではなく、経糸を細く、横糸を太くしたものです。
 
 羽二重の厚地の物は昔は女性の喪服に使われていましたし。現在でも男性の黒紋付に使われています。どの程度横糸を太くしたものを「塩瀬羽二重」と称するのか、定量的なことは分かりません。私も、塩瀬は羽二重の厚地の物と解しています。
 
 羽二重の黒絵羽というのは昔はあったでしょうから珍しい事ではないと思います。染帯に使う塩瀬は厚すぎて着物には適さないので、もっと薄い塩瀬(厚手の羽二重)だと思います。

質問者

 塩瀬が羽二重の一種だと、初めて知りました。
 
 羽二重といえば、薄いもの(胴裏のような)だとばかりおもっていました。 なので、羽二重の喪服?(薄くて、透けるんじゃ?)などと思っていた大馬鹿者です(恥) な、納得・・・(^-^;)
 
 折り目が似ているので、帯地と混同していましたが、確かに厚さは違いますね。 よくわかりました、ありがとうございました。

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参照:「きもの講座 8. きものの生地について」
参照:「きもの春秋終論 Ⅵ-37.またまた呉服業界の危機(羽二重がなくなる)」
参照:「きものQ&A 84.-塩瀬の生地について教えてください」

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