明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

40.巨大化するきもの 

きものQ&A

質問者

 結城屋さんのHPで、きもの春秋「巨大化する着物」を読ませていただき、疑問が解けました。どこに投稿すればいいかわからなかったので、こちらに書き込ませていただきますね。

 某掲示板で、裄丈が足りない、反巾が狭いという意見が多く寄せられていますね。 気に入ったものでも裄がないのであきらめる、という方がたくさんいらっしゃいます。 身長170cmという方は仕方ありませんが、私も裄を長く拵えているのでは、と感じていました。 私の裄を測ってみましたら、真横にあげたとき67、斜め45度で70、下に下げると73でした。

 それでも私の着物は、一番裄の長いものでも1尺7寸5分(66cm)しかありません。 これ以上裄を出しますと、身幅は並巾ですから袖が太くなりすぎるような気がします。 好みもあるでしょう。江戸っ子で、細身にキリリと着るのが好みですから。 祖母は中肉中背でしたが、昔の人ですから、大女で恥ずかしかったらしく、とても裄の短いものを手を引っ込めて着ていました。

 年をとって洋服を着るようになっても、冬でもカーディガンの袖を折り返し、手首を出しておかないとうっとうしかったようです。 もう一人の祖母は、なんと、ブラウスのカフスを取ってしまい、短くしてゴムを入れていましたよ!

 おばあちゃん子の私は、祖母が縫ってくれる裄の短い着物を着て、手を引っ込めているのが普通だと思っていました。 京都の方は、きっとゆったりたっぷりと着付けされるのでしょうね。

 
 

ゆうきくん

 きものの寸法については本当に困っています。というよりも将来どうなるのかが不安です。

 知識のない呉服屋がきものの寸法を説明することもなく大きなきものをつくり、基準がなくなってしまうのではないかと。寸法が巨大化することに必ずしも反対するものではありません。それは時代の要請でしょうから。しかし、皆がてんでんばらばらの寸法できものを仕立てるということになるのでしょうか。

質問者

 寸法の合った着物は着易いのですが、そうですね、「基準」とおっしゃるように、着物は洋服ほど細かく体に合わせすぎても、着姿のバランスがくずれるという場合があるのかも知れませんね。

>寸法が巨大化することに必ずしも反対するものではありません。それは時代の要請でしょうから。しかし、皆がてんでんばらばらの寸法できものを仕立てるということになるのでしょうか。

 私の祖母たちなどは極端な例でしょうが、地域により、好みにより、流行によっても違ってくるのでしょうか。

 そういえば、着付けの仕方なども関係あるかも知れないと思います。バスタオルに補正下着を沢山つける方とそうでない方とでは、着姿が全然違いますし、仕立てる身巾も違うかも。

 ただ、
「裄は手首までないとおかしい!」
とネットで教えられた方が、裄が出ないと思って好みの反物をあきらめたりすることがあるなら、気の毒だなあと思います。私のようないいかげんな者は、手を引っ込めて着てしまいます。

 でも、自分好みのこだわりの寸法を人から間違いだと言われたら、やっぱりツライものがあります・・。 なんだかとりとめなくなってしまいましたが・・・。

質問者 2

 >きものの寸法については本当に困っています。というよりも将来どうなるのかが不安です

 呉服屋さんでも、こんなことを思っておられたとは。

 今まで祖母の仕立てか、寸法指示で仕立てていたのですが、昨年、 化繊の夏物を長襦袢から揃えた際に、呉服屋さんで採寸して仕立てて頂いたのですが、出来上がったものが裄も身丈もとても大きなものができてきてびっくりしました。

 ワイシャツの袖丈は78cmという手長な私ですが、祖母の指定は着物の場合は裄1尺7寸5分、肩幅9寸、胸幅8寸、裾幅8寸です。 そして裄はともかく裾が長い。袖丈を長く取ることを優先したので「身丈短くなりますよ」と連絡がありましたがそれでも長すぎる程でした。

 困ったのは長襦袢。どう計るとこんな長さになるものなのか10cmも短く仕立て直してもらいました。それでも手持ちの襦袢の中では一番長い襦袢です。普段用には使えません。(礼装は床丈に着付けますが、お年始などでは訪問着すらアキレス腱丈)

 どうやら襦袢や長着の着付け方が最近の着付け教室で教える着方と違うんだそうです。

 襟もお教室よりは抜くし、裾も短めに着ることともあいまって今の算出基準よりは20cm位短い襦袢や長着でよいようです。(着付け教室には通ったことがなく祖母直伝の着付け)

 最近は注意して「店頭で採寸」はしないようにしています。

 背の中ほどより小さい方を基準した着つけ方や立ち居振舞いでは、長身向けには巨大な着物が必要でしょう。でも昔から長身の着付けや立ち居振舞いは低い人とは違ったのではないでしょうか。だから「同じ寸法で誰でも着られる」ということだったのではないかと。

 既成の長襦袢も困っています。身長を目安にサイズを決めるとLサイズなのですが、 実際はMでも長いほど。Sサイズにするとさすがに裄が合わなくなるので。

 こんな困りごとをしているのは私位なのでしょうか?

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参照:「続きもの春秋 12. 巨大化するきもの」
参照:「続続きもの春秋 14. きものの裄丈について」

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