全日本きもの研究会 きものQ&A
508. 7回忌に着る着物
質問者
こんにちは。 教えていただきたいことがあります。仏事にも着物にも疎いお洒落着専門のmegumiです。
5月半ばに 姑の7回忌があります。 着物で出席する場合 どのような着物を着るべきでしょうか?
江戸小紋は白黒ならば細かい竹縞しか持っていません。 あとの2着は 地味ながらもピンクが入っています。 帯は黒供帯ですか?
私の持っている物で 場にふさわしくないようでしたら 洋服で出席しようと考えています。
ゆうきくん
法事の着物については良く相談されます。法事は弔事ですからそれに相応しい着物というのは誰でも同意できるところです。
最上級の弔事の着物(変な言い方ですが)と言えばもちろん黒の紋付です。 帯は黒の帯(黒共名古屋や黒の袋帯など)です。
やや格を落とせば(これも変な言い方ですが)着物としては色無地(寒色系)や江戸小紋(黒または寒色系)があります。 帯は法事用帯(色共という場合もあります。グレーの帯です)になります。
さて、法事ではそれらの内、何を着て何を締めればよいのでしょうか。 法事は段階的に、通夜・告別式・葬式→五七日・四十九日→一周忌→三回忌→七回忌→十三回忌→・・・・・→百回忌と続きます。
告別式・葬式では黒紋付(喪服)に黒の帯を締めます。 それから先は葬式から段々遠くなるわけですが、それらの法事で何を着るかと言う事は、その家や地方の慣習があり、必ずこうだとは言い切れません。
周囲の人に相談しながら着るものを決めるのが原則だと思います。
しかし、これでは答えにならないので私の考え、我が家の慣習として次のようなことを申し上げます。
一周忌まではやはり弔意を表すために黒紋付を着るべきと思います。 それ以後は、次第に着物を落としていっても良いと思います。 落とし方と言うのは次のようなバリエーションがあります。
1.色無地に黒帯
2.色無地に法事用帯
3.黒の江戸小紋に法事用帯
4.江戸小紋に法事用帯
5.色無地・江戸小紋に通常の帯(ただし赤系の色の入らない柄)
三回忌までは1や3でも良いと思いますが、外を歩く際に余り目立つようでしたら2でも良いでしょう。
七回忌以降でしたら1や3は重いように思えます。2や4が良いと思います。 百回忌ともなれば(極端な例です)5でかまいませんがあくまでも弔事であることを頭に入れるべきです。
結婚式は一回で終わりますが法事は何度もあります。年月が離れるに従って着物は落としていってもいいと思います。 法事は世俗的に見れば、親戚が一同に集まる数少ない機会です。そちらの意味も大きいのだと思います。そう言う意味では七回忌以降はやや砕けた着物、砕けた雰囲気で親戚が集うのではないでしょうか。
それぞれの家のしきたりがありますので、それを加味して考えてください。 黒の江戸小紋をお持ちだとの事です。それをお召しになってかまわないと思います。帯は黒では重過ぎますので、色共があればベストですが、なければそれに変わるような帯でかまわないと思います。
質問者
ご丁寧に回答いただきましてありがとうございました。
詳しい解説も大変参考になりました。 白黒の竹縞小紋を着ようと思います。 帯は色供帯を持ってないので考えてみます。 相応しい帯を手持ちから探してみます。
薄いグレー地に薄いピンクの小花が規則的に並んだ帯は 砕け過ぎるでしょうか?
主人の実家の法事は親戚からの要望が強く 『親戚寄り』の意味合いが濃厚な気がします。 円卓テーブルで 和気藹々と結婚式のようです。 今回の7回忌も姑が天寿を全うしたために湿っぽさがありません。
参照:「きものQ&A 126.略式の喪服では?」
参照:「きものQ&A 304.「夢」の字付の喪帯」
参照:「きものQ&A 446.七回忌の着物」