質問者

　 喪服着用時の道行の件です。

　道行だけ作っておらずいざという時にあった方がと思いました。

　今は春夏ものを作る時期なのでまだ作っていないのですが、先日、リサイクルショップで黒の地紋のあるものが売っており、これでもいいのならと思いました。

　地紋のある黒の道行は喪服では着用できないのでしょうか？できなければ留袖などの時に着用するものなのかを教えてください。

ゆうきくん

　喪服用（喪服専用）の道行を仕立てられる方は少ないと思います。「少ない」と言うよりも皆無ではないでしょうか。

　喪服専用の道行とはどんなものかと言うと・・・。地紋の黒の道行で悩んでおられるようですが、そこから考えれば無地の道行でしょうか。

　黒無地の生地と言えば、喪服に用いる縮緬地ですが、道行用の石持ではない既成の反物は見たことがありません。私の店に黒地の雨コートがありますが、芝柄の地紋があります。

　道行は、いわば外套です。室内で着る事はありません。もちろん葬式や法事の会場で着る事はありません。

　外套ですので喪用として地紋があるのは構いません。ただしあくまでも喪用ですので、金糸銀糸をはじめ、派手な刺繍のあるものは避けた方が良いです。輪奈ビロードのコート地で無地は見かけたことはありますが、ほとんどは地紋のあるものです。

　今、手にされている黒の道行は、喪用に着たものかもしれません。

　黒や白の無彩色は、晴の場で（慶弔共に）着られています。留袖の場合は、黒の絵羽コートを着る事もありますので無地とは一線を画す場合があります。

質問者

　突然の質問にご親切にありがとうございました。

　冬の喪服の時に葬儀等に向かう時に他の方はどうしているのかと思っておりました。回答でほぼわかりました。

　本当にありがとうございました。

参照：「きものQ&A 126. 略式の喪服では？」
参照：「きものQ&A 296. 黒無地の道行コート」
参照：「きものQ&A 237. 喪服について」