明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きものQ&A

453.着物購入について 

きものQ&A

質問者

 なんとも情けないお話ですが、教えて下さい。
 
 京都のロウで染物をしている、某工房の着物を購入したのですが・・・ 価格が高いのか、安いのか、全く判断できず。 解約しようかなやんでおります。

◆正絹・付け下げで、30万弱 (仕立てこみ・八掛には特別に為書き&落款付き) 撥水加工付き
◆正絹・袋帯48万→30万 (仕立てこみ) 撥水加工付き
◆帯揚げ・〆 各3万5千
★支払い合計=58万円  値引きし、3年ローン

 主婦の小遣いでやりくりは大変ですが、長く着てる柄(ツタ)で、シンプル。本当に良いものなら、頑張って支払おうか・・・ 
 
 生地も舞妓さんが利用しているそうで、1717年創業の京都の織物だそうです。 全くの素人が、まさに「清水の舞台から飛び降りる」状況です。

 アドバイスを下さい。
 
 追伸:蝋付けの実演も見て、その作家さんが手がけた作品です。

ゆうきくん

 物を見ずに、商品の価格は判断できません。
 
 価格は小売店が決めます。いくら安くでもいくら高くでも付けることが出来ます。 同業者の商品を云々することは出来ません。 当社のHPを参考にしてご判断願います。
 
 白生地は「大塚」と言う白生地屋のものでしょう。 一級の染物に使う白生地でしたら、値段の差は1~2万円程度です。

質問者

 ご意見、ありがとうございます。
 
 生地ですが、確か「大塚」だったと思います。 1部上場の着物店舗での購入だったので、モノに偽りは無いと思うのですが… 制作した職人さん自身、その場にいたので。 手間隙かけて作る作品ということは、理解しているのですが、値段もピンきり。 素人判断は難しいですね。
 
 ネットで調べているのですが、なかなか無いのです。 工房制作の蝋付け反物、全体的に取扱量が少ないのでしょうか?
 
 帯は白系で金糸が入っており、やわらかく、扱いやすそうでした。
「ツタ・着物濃い紫に蔦は紺、深緑、茶色」
「さくら・帯白地に桜は紺紫系に銀糸があったような」
の柄は、季節を問わないって、本当ですか? そのようなお話だったので… 何度も申し訳ありません。

ゆうきくん

 現物については何とも言えません。
 
 呉服業界の一般的な話として、また当社の立場としてお答えします。
 
 職人の制作現場でご覧になられたとの事ですが、展示会か何かでしょうか。 業界では、ホテルその他の会場にて職人を招いて展示会を開くということは良く有ります。大手呉服店であれば尚更そういった展示会の売り上げに頼っているのが現状です。
 
 当社もそういった展示会に誘われますが、一切お断りしております。 展示会では
1.問屋が言い値で価格を付ける。
2.莫大な経費が価格に上乗せされる。
という理由で小売価格は跳ね上がっています。

  呉服は消費者にとって価値が分かりずらいので、小売価格はいくらにも設定できます。 当社では仕入れをしてまともな価格を付けていますが、展示会ではその2~3倍は当たり前のようです。
 
 どのような処で購入されたかは分かりませんが、業界ではこういったことが当たり前に行われていることを覚えておいてください。

質問者

 丁寧な回答、ありがとうございます。
 
 勉強し、知識を持たないと、消費者は振り回されてしまいますね。 近くに、ゆうきさんのようなお店があると、助かりますが… 自分自身で確かな眼を養い、それから納得できる商品を購入しますね。
 
 それまでは勉強し、心置きなく購入できるように貯金します。 大変着物の業界について、勉強になりました。 また機会があり、質問することありましたら、どうか宜しくお願いいたします。

参照:「きもの春秋終論Ⅱ.きものの販売手法 ⅳ展示会」
参照:「きもの春秋終論Ⅰ.着物の価格形成 ⅵ二重価格と値引き販売」

 

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