明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 ゆうきくんの言いたい放題

Ⅶ-71 呉服屋はもうないのか

ゆうきくんの言いたい放題

 最近、電話での問い合わせが多くなってきた。
「はい、結城屋でございます。」
かかって来た電話口でそう答えると、
「あのう、ちょっと伺いますが・・・。」
と言うフレーズで始まる問合せである。

「・・・」の部分は、
「お宅のお店で〇〇は置いていますか」あるいは、
「〇〇はありますか。」
と続く。

「〇〇」と言うのは、「黒の草履」であったり「帯板」であったり、また「腰紐」であったりする。他にも「白の足袋」「コーリンベルト」「八掛」その他きものの脇役とも言える、言わば呉服の小物、着付け用品等である。

 以前から商品の有無を問い合わせる電話は掛かってきていた。しかし、その内容は、
「すみません。そちらで風呂敷は扱っていますか?」
「ちょっと伺いますが、お宅で作務衣は置いてありますか。」
と言うようなものだった。呉服屋と言えども、風呂敷や作務衣は置いているかどうかは分からない。そこで問い合わせてきたのだろう。

 しかし、最近の問い合わせに私は少々戸惑ってしまう。
「白い足袋は置いてありますか?」
と言う問いに、
「えっ、何か特殊な足袋ですか。」
と問い返してしまう。
「ええ、お茶の時に履くのですが。」
その答えに、
「普通の綿の白足袋ですね。ございます。」
そう答えると、安心したように、
「それでは後程伺います。」
それでも私は不安になり、
「大きさは何センチですか。」
「23.5cmです。」
「はい、分かりました。お待ちいたします。」

 そのお客様が、どのような足袋を探しているのかが良くつかめない。と言うのは、呉服屋で足袋を扱うのは当たり前である。サイズの極端に大きな足袋。例えば32cmと言うような足袋。また、麻の足袋、ネル足袋などは紋数によっては置いていないので問い合わせて頂く必要もあるが、呉服屋ただの白足袋を買うのに何故いちいち問い合わせるのだろうと思ってしまう。

 白足袋をはじめ、黒の草履、帯板、腰紐、コーリンベルト、八掛、いずれも着物にはつきものであり、呉服屋にいちいちあるかどうかを確認するのはどういう事だろう。

 こういった問い合わせは、最近になって掛かってくるようになり、また頓に増えてきたのである。

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