明治00年創業 呉服と小物の店 特選呉服 結城屋

全日本きもの研究会 きもの春秋終論

Ⅴ 呉服の常識と言われていることは常識か?

きもの春秋終論

 呉服業界は危機的状況である。何が危機かと言えば、定性的には業界の体質そのものに起因するのは既に述べてきたとおりである。定量的には呉服の販売が減少している。一頃2兆円と言われた呉服市場は3千億円を下回っているといわれている。間もなく2千億円となり、以前の十分の一に減少してしまうのだろう。

 何故呉服の販売が減少しているのか。それはズバリ着る人が少なくなっているからである。では何故きものを着る人が少なくなってしまったのか。これも様々な原因が考えられる。ライフスタイルの変化と言ったきものを取り巻く環境そのものにも原因はあるが、きものに対する誤解や偏見など、きもの業界のいわば内部の問題も多くあるように思われる。

 「きものは高い」「きものは着る機会がない」「きものはしきたりが難しい」など、きものを着ようとする気持ちを萎えさせてしまうような事柄がきものを着る人達やきもの業界で流布され庶民からきものを遠ざけているように思える。

 お客様達から聞こえてくるそれらの事象は、よく考えれば「いや、そんなことはありませんよ」と言えるものが多く、きものに対する誤解がいかに浸透しているかが分かる。

 とは言え、巷に流布されている常識は余りにも単純明快で、また津々浦々に浸透し誰でも鵜呑みにしてしまうほど完璧に思えるので、それをあえて真実かどうか深く考えようとする人は見当たらない。それでも心の底ではおかしいと思っている人も多いことと思う。

 次回からきものを着ようとしている人達の気持ちを萎えさせている常識と言われている事柄について一つ一つ考察しあらぬ誤解を解きほぐし、一人でも多くの人が気持ちよくきものを着れるようになってもらいたいと思う。

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