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全日本きもの研究会 きもの春秋終論

Ⅵ.きものつれづれ 38.「KIMONO」騒動

きもの春秋終論

 今「KIMONO」の話題がマスコミを騒がせている。キム・カーダシアンさんの下着ブランドの話題である。

 キム・カーダシアンさんが創った「KIMONO」と言う矯正下着のブランド名が問題になっている。私は、キム・カーダシアンと言う名前も聞いたことはなかったし、矯正下着にも何の興味もなかった。

 記事の題名を見た時には、
「どこかのマイナーなデザイナーが着物の名を借りて何か商品を出している。」
としか思わなかった。しかし、私の知識、認識不足だった。

 キム・カーダシアンは世界的なデザイナーで、「KIMONO」を商標登録しようとしている。マイナーなブランドが気まぐれで「KIMONO」の名を使用するのとは訳が違っていた。私は、話題が大きくなりようやく事情が分かってきた。

 矯正下着に日本の「着物」の名を冠したことに対して多くの批判が寄せられている。日本の着物と矯正下着が何の関係があるのか。日本人が大切にしてきた日本人の衣装の総称である「着物」を堂々と矯正下着のブランド名としたのである。

 命名した本人、キム・カーダシアンさんはどのような気持で命名したのか。詳しい事は分からないが、多くの批判を受けながらもブランド名を変更する気はないと言う。それ程深い感慨はなかったのかもしれない。

 一度商標登録が成立すれば他の業者は「KIMONO」と言う名称を使えなくなる可能性がある。事の重大性については、「きつけ教室すなお」のすなおさんが下記のYouTubeで詳しく訴えています。是非ご覧ください。

 また、下記のページで詳しく書いています。ページからChange.orgでの抗議の署名もできます。(私もしました。)

 実際に商標登録は認められるのか、またその影響は?と言うと私は法律には詳しくなく、ましてアメリカでどう扱われるのかは分からない。

「KIMONO(着物)」と言う名称が商標登録できるのであれば、「自動車」「寿司」「酒」と言う言葉も商標登録できるのだろうか。はてまた「令和」と言う商標登録をアメリカでできるのだろうか。

 元号が「令和」と決まった時、中国では「令和〇〇」と言う「令和」の名を冠した商標登録が激増したと言う話が有った。他の国や民族の大切にしている文化を金もうけの為のツールとして用いるのは許されることではないと思う。

 しかし、現実にはそれがまかり通り、阻止できないでいるのが現状である。この事件は業界として余りにも大きな問題でどのような結果になるか見守ると共に微力ながら解決に努力したいと思う。

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